第4章 資金調達 重大な経営判断

 今回は第4章 資金調達 重大な経営判断という部分を読みました。

 

 クラウドファンディングへの挑戦中に、尿検知タイプと便検知タイプのDFreeの発売時期を揃えるか、ずらすかという問題にあたりました。

尿は安定した液体であるので、検知が簡単なのだが、便は硬かったり柔らかかったりし、さらに直腸は膀胱の奥にあるためノイズが入りやすい。便は正確に位置や量を検知することが尿よりも難しいのです。不完全な段階で便検知タイプを出荷すれば、ユーザーを落胆させてしまう、1日の排泄介助のうち、回数は圧倒的に尿の方が多い、ということを考慮した結果、尿検知タイプを先に出荷するという決断をしました。

  その後は、中西氏の正森についての思いや、正森の当時の思いが綴られています。

 

 企業が初めて製品を出荷するとき、その製品がブランドのイメージに大きく影響するので、とても慎重な判断をしないといけないことが分かりました。正森は、ボランティアで献身的に手伝い続けてくれて、中学時代からの親友という、強い絆があってからこその、結果だと思いました。

 

第4章 資金調達 クラウドファンディングに挑戦

今回は第4章 資金調達 クラウドファンディングに挑戦 という部分を読みました。

 

 新商品の開発過程において、外に出す情報を絞りながら進めていくのが普通なのだが、DFreeは注目を浴びすぎて、動きを悟られずに開発を続けることが困難になりました。しかし、特許の出願は済ませてあるため、逆に情報をオープンにしてDFreeを世の中に定着させたほうがいいと考えました。また、話題を呼んだことで、DFreeを心待ちにしている人の顔が、だんだんイメージできるようになり、世にDFreeが出た時に、これを待っていたと言ってもらえるように、資金調達の1つにクラウドファンディングを加えることにします。北米での市場はとても大きいが、日本ではまだまだ小さく、今後の伸びが期待されています。クラウドファンディングの募集期間中に、インタビュー記事が掲載されたり、メディアに取り上げられるなどの幸運が重なり、目標額の1200万円を超える約1260万円の開発資金を集めることに成功します。

 

 クラウドファンディングは、支援者の数が分かるため、支援者の数が多いほど、投資家が投資してくれる可能性が高まり、また、支援者の期待の声が聞け、開発者のモチベーションに繋がるので、お金も集まり、モチベーションも高まり、良いことずくめの資金調達だと思いました。

 

 

 

第4章 資金調達 気持ちはほとんど土下座

 今回は第4章 資金調達 気持ちはほとんど土下座という158〜164ページの部分を読みました。

 

  3月上旬にリード・インベスターを検討してもいいというVCが3社現れたが、最終決定には至らず。その後、ニッセイ・キャピタル主催の「NCCベンチャーグランプリ」に参加し、グランプリを受賞し、投資の申し出があったが、投資額が少なく断ってしまいます。それから、1週間のうちにリードを検討してくれていた3社全てから断りの連絡が入ってしまい、検討した結果、ニッセイ・キャピタルにリードを頼むことにします。無理を承知でお願いした結果、単独で投資するという大英断を下してくれました。のちに、ニッセイ・キャピタルの投資委員会で正式決定しました。

 

 自分たち自身にも、会社にもお金が無い状態で、投資してくれるVCが見つからない、決まりそうだったのに断られる、ということが続いたのは、本当に精神的負担が大きかったと思います。ニッセイ・キャピタルの英断も賞賛するべきですが、この危機にめげずに立ち向かった中西氏やメンバーの忍耐力は、もっと賞賛するべきだと思いました。

 

 

第4章 資金調達 最大の危機、シードラウンド

今回は第4章 資金調達 最大の危機、シードラウンドの152〜158ページを読みました。

 

資金調達における最初の山場、エンジェルラウンドはなんとか乗り越えることができたが、その次に総額5000万円を前提としたシードラウンドの資金調達が待ち受けていました。ここでは、小林正典が大きな力となりました。小林は、日本の投資家周りをしてくれ、リード・インベスターをつけるという条件で5000万円を投資する、とニッセイ・キャピタルと話をつけることに成功しました。しかし、リード・インベスターがなかなか見つからず、メンバーを失ってしまうという焦りを感じます。

 

 ニッセイ・キャピタルの方がおっしゃっていたように、素晴らしい人材を集めてチームを作っている中西氏は、もちろん素晴らしい力の持ち主だと思うが、ボランティアで手伝い続ける方たちも、すごいと思いました。小林は、金欠で、お弁当の中身は白米だけのときがあるなど、メンバーは自分の生活をきりつめて手伝います。人の熱意に影響されて、それだけやりがいのある仕事なら苦しくても続けられるのかなと思いました。

第3章 試作機完成 129〜150ページ

今回は第3章 試作機完成の129ページから150ページまでをよみました。

 

 今回の部分では、日本の開発チームの実験の続きや、中西氏のアメリカでのプレゼンテーション、試作機の完成、モーニングピッチなどについて綴られています。

 

 正森を中心とした日本の開発チームは、便意予知のための実験を体を張って献身的に続けていました。中西氏はチームへの要望を低くしたり、取り下げたりしませんでした。一度でも、低くしてしまったら、ずるずると後退してしまう、厳しい現実に直面しても、理想を捨ててはいけないと考えていたからです。

 

 そんな中、アメリカでのピッチ大会では、12社中3位を獲得したが、3位ではなんの足がかりにもなりませんでした。しかし、他の勢いのある企業より上位だったということが心の支えとなりました。そして、九頭龍さんの担当のもと、初代試作機が完成しました。

 

中西氏は資金調達のために、モーニングピッチという大企業やベンチャーキャピタル、メディアに対してプレゼンテーションができるイベントに参加します。これによって、Dfreeは大きな注目を集め、多くの人々にDfreeが知れ渡るきっかけとなりました。

 

 今回読んだ部分で、やはり「うんこ」という言葉の破壊力はすごいと思いました。良い意味でも悪い意味でも注目を集めてしまう。その意味でも今回うんこを使えてラッキーだと思いました。

 

 

 

 

 

 

 

第3章 試作機完成 106〜129ページ

今回は第3章 試作機完成の106〜129ページを読みました。

 

 ここでは、正森と協力して、試作機開発のためのデータ収集、正森の日本での実験について、綴られています。

 

 プレゼンテーションが翌月に迫り、客観的なデータを集めるために、実際に「超音波で腸内の様子を知ることができるかどうか」という基本的なデータを実験で得る必要がありました。色々な人に相談した結果、東北大学の教授が、実験装置をもっている会社を紹介してくれました。この会社、A社は、超音波界の世界のパイオニアとも言える存在で、実験に協力してもらえることが決定します。

 

 中西氏はアメリカにいて、日本にいる正森がA社の協力を得て、中西氏の注文に答えながら、いよいよ実験を開始します。腸内の様子を知るために、正森はコーヒーを3リットル飲んだり、ソーセージを肛門に突っ込んだりと、かなり体を張った実験をしてくれます。また、冷静で客観的な意見なども出してくれ、中西氏はDfreeの開発に正森は欠かせないと語っています。

 

 今回読んだ部分で、正森の実験への献身的な姿勢に驚かされました。正森は、就職活動や、TOEICの勉強をしながら、ボランティアで、Dfreeの開発に多くの時間を割いて、体を張った実験をしてくれている。ここまで、正森が献身的になれるのは、中西氏の熱意や行動力があってからこそだと思いました。お互いを信頼して、思いを1つにしないと、成功するかも分からないことに、ここまで一生懸命取り組むのは難しいとおもいました。

 

 

第2章 生みの苦しみ 92〜104ページ

今回は第2章 「生みの苦しみ」の92ページから第2章最後の104ページまでを読みました。

 

 ここでは、特許取得の過程や、正森との2度目のコンタクト、超音波に詳しい人を探す過程、などが綴られています。

 

 「とにかくプロトタイプを作れ」とアドバイスをくれたミッチさんから声がかかって、投資家たちに対してプレゼンテーションをする機会を得た中西氏は、アイデアがパクられることを防ぐために、特許の出願を済ませることを決めます。そこで、日本で開かれた合コンで知り合った友人の友人である弁理士に声をかけます。最初のメールでは反応が無かったが、2度目のメールに返信があり、結果的に特許を取れるように申請書をまとめ上げ、中西氏は無事にプレゼンテーション前に特許の出願をすることができました。しかし、プロトタイプの製作は、九頭龍さんが忙しいこともあって、止まってしまいます。

 

 困った中西氏は、正森にコンタクトをとり、正森は開発に出来る限りの協力を約束してくれます。それから、色々な人に電気回路がわかる人の紹介を仰ぐと、面白いように人脈がつながり、日本の超音波研究の第一人者につながります。しかし、中西氏はやるべきことが山積みで日本に行くことができなかったので、代わりに正森に話を聞きに行ってもらうことにします。正森がDFreeの構想を話すと教授は、「このアイデアはヘルスケアや超音波業界を大きく変える。きっと世界中に広がる技術になる。」と言ってくれます。教授は決して、できないとは言わなかったことから、中西氏は出来る可能性があると解釈します。

 

 今回読んだ部分で、中西氏の人脈に驚きました。次から次へと新しい人と出会い、最後には求めてるような人材にたどり着いてしまう。運もあると思うが、その運を引き当てる人脈の広さは、中西氏の力だと思いました。